外国人雇用を考えている企業必見!特定技能評価試験とは

外国人人材を受け入れるために新設された在留資格、特定技能。人材不足に悩む企業からは、問題解決するための制度として期待が集まっています。 海外の労働者は来日するためには、特定技能評価試験と呼ばれる試験に合格しなければなりません。特定技能の14業種のうち、それぞれ特定技能評価試験とは、どのような内容で実施されるのでしょうか。 特定技能評価試験について詳しく解説しながら、関連する試験についても紹介をします。

この記事は約7分で読み終わります。

特定技能と特定技能評価試験

2019年4月に創設された特定技能。「海外から人材を受けいれたい」と考えている企業にとっては、注目すべき在留資格です。

特定技能の詳しい内容をとともに、採用すべき人材かどうかを見極められる特定技能評価試験について説明します。

特定技能とは?

特定技能とは改正出入国管理法に基づく新制度で、外国人人材の受け入れを拡大するための在留資格です。

これまでの技能実習をはじめとする在留資格では、雇用できなかった分野・条件で海外からの労働者を採用することができます。

初年度では最大で4万7,550人、5年間を通して最大で34万5150人の外国人人材を、受け入れる試算です。

法務省は特定技能の対象者を以下のとおり、定義しています。

・相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能1号」と,同分野に属する熟練した技能を要する 業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能2号」を新設する

・ある程度日常会話ができ,生活に支障がない程度の日本語能力を有することが基本

(参照 法務省 新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について

特定技能1号は人手不足が著しい14業種で、特定技能2号は、そのうちの2業種のみに適応されます。

特定技能評価試験

特定技能を取得するための要件の1つが「特定技能評価試験」です。特定技能評価試験とは、職種ごとに日本政府が求める基準をもとに実施される試験のことです。

本試験を受験して合格しなければ、日本での就労を希望する外国人労働者を採用することは認められません。特定技能評価試験の水準には、技能水準と日本語能力水準があります。

本試験だけで、入国が審査されるわけではありません。入国管理業務上で支障があると判断された国は、受け入れにおいて制約が設けられます。

例えば、日本からは強制送還を受け入れていない国や、難民認定を乱用していない国、不法滞在者が多い国などです。強制的に送還される対象となるので、理解しておきましょう。

目次へ

技能試験について

特定技能で外国人人材に対して実施する試験は、技能試験と日本語試験にわけられます。

必要とされる技能水準を明確にするのが技能試験です。技能水準について、各分野の評価試験の例を挙げながら解説をします。

技能試験とは

特定技能において、外国人人材は即戦力として採用されます。期待通りに現場で活躍できるか、その能力や知識、スキルを確認するために技能試験が行なわれます。

技能試験の内容は、「各分野で求められる技能水準に達しているかどうか」がポイントです。法務省令によって設定された水準で、筆記試験と実技試験が実施されます。

水準は、具体的に設定することが望ましいとされています。例えば以下のとおりです。

「1号特定技能外国人については,相当期間の実務経験等を要する技能であって,特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を 遂行できる水準の技能が求められることを踏まえ,初級技能者のための試験で ある3級相当の技能検定等の合格水準と同等の水準」

(引用:法務省入国管理局 「特定技能」に係る試験の方針について

このように設定することが、試験の方針で記載されています。

特定技能2号の場合は、上級技能者のための試験が受験する必要があります。

各分野の評価試験の例

分野ごとに評価試験の例をあげます。

①介護

名称:介護技能評価試験

実施機関:厚生労働省、試験実施及び運営等は同省が補助する2019年度介護技能評価試験等実施事業者

出題内容:介護の基本、こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術

レベル:介護職種・介護作業の第2号技能実習修了相当の 水準である介護技能実習評価試験と同等の水準開始予定時期:2019年4月

(参照:厚生労働省・「介護技能評価試験」試験実施要領)

②建設

名称:建設分野特定技能1号評価試験

実施機関:国土交通省が試験機関として定める建設業者団体

出題内容:型枠施工・左官・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土工・屋根ふき・電気通信・鉄筋継手・内装仕上げ

レベル:図面を読み取り、指導者の指示・監督を受けながら、適切かつ安全に作業を行うための技能や安全に対する理解力等を有する者」

開始予定時期:2020年3月まで

(参照:厚生労働省・「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要 領)

③宿泊

名称:宿泊業技能測定試験

実施機関:一般社団法人宿泊業技能試験センター

出題内容:フロント業務、接客業務、レストラン・サービス業務、広報・企画業務、安全衛生・その他基礎知識

レベル:日本の旅館・ホテルで業務に従事するための技能レベル

開始予定時期:2019年4月

④外食

名称:外食業技能測定試験

実施機関:一般社団法人日本フードサービス協会

出題内容:接客全般・飲食物調理・衛生管理

レベル:食品衛生に配慮した飲食物の取扱い、調理及び給仕に至る一 連の業務を担い、管理することができる知識・技能を確認

開始予定時期:2019年4月

(参照:厚生労働省・「外食業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用 要領)

(参照:首相官邸・特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針について)

目次へ

日本語能力水準試験について

技能試験と合わせて、日本語能力水準試験に合格しなければなりません。日本語能力水準試験とは、日本語を母国語としない人の日本語能力を測定して、レベルごとに認定する制度です。

詳しい試験の概要について、紹介をします。

日本語能力水準試験とは

日本語能力水準試験は、特定技能のためだけの試験ではなく、国内外80か国(239都市)で30年の実績を誇る試験です。実施主体は、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会。

マークシート方式による試験で実施して。日本語能力を評価します。レベルは難易度の高いところからN1・N2・N3・N4・N5の5つにわけられています。

特定技能で求められるレベルはN4以上です。N4の日本語レベルは、基本的な日本語を理解できるレベルであり、読む能力と聞く能力によって判断されます。300時間程度の学習で、習得レベルとされています。

ただし農業分野と建設分野では、N4レベルまでは求められず、日本語が得意ではない外国人でも受け入れる予定です。

日本語能力に関する試験

日本語の能力を判定するための試験は、日本語能力水準試験だけではありません。3つの試験を紹介します。

①国際交流基金日本語基礎テスト

独立行政法人国際交流基金が、「JF日本語教育スタンダード」の考え方に基づいて実施。「日本語の理解度」を測ることを目的としています。日常的な生活に支障のないレベルの能力を判定する試験です。

②日本語能力試験

国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が運営する試験です。日本語の実力を測定するだけではなく、就職や昇進昇級、資格認定など幅広い目的で活用されています。

③介護日本語評価試験

特定技能14業種のうち介護分野でのみ実施される、厚生労働省が主体の試験です。介護の現場で、介護業務に従事する上で支障のない日本語レベルかどうかを判定します。

(参照 厚生労働省・新たな在留資格「特定技能」について 技能試験・日本語試験の概要 (介護分野における分野別運用要領)

目次へ

まとめ

特定技能評価試験について、技能試験と日本語能力を測定する試験について解説しました。

特定技能外国人を受け入れることを検討している企業は、試験の内容も把握しておくことが大切です。外国人が試験に合格してはじめて、採用を検討することができます。

また、外国人人材を採用できたとしても、業務を遂行する上で、なんらかのトラブルが発生してしまうリスクも考えられます。

特定技能評価試験は、能力を測定するだけではなく、有能な外国人かどうかを厳選するための試験だと考えられるでしょう。